AVEDIO ブランドストーリー

AVEDIO(エヴァディオ) ブランドを立ち上げた犬塚 一彦氏。
AVEDIOに込めた想いや、製品開発へのこだわりなど、トップが事業継承するまでのブランドストーリーを伺いました。
AVEDIO(エヴァディオ)とは、AVE MARIA(アベ マリア)のAVEとDIO(ディオ)の二つを一つにした造語です。この2つの単語には、女神、祈願、目出度い(めでたい)などの意味合いがあります。
レースにおいて「勝利へのこだわり」「喜び」「感動」を、自転車を通して伝えていきたい。
勝利の女神。勝利への祈り。
“勝利するための機材を乗ってもらう”というブランドコンセプトから生まれました。
勝利するための機材を求め、スポーツバイク業界では名高い10店のスポーツバイクPRO SHOPの代表・技術者と共に台湾に向かいます。
日本を代表するブランドを目指し、様々な協議を重ね、最高のフレームを調達。
そして、2006年に当時最高級カーボン素材、東レT700”を使ったAVEDIO初のフレーム「SPLENDOR」が完成。最軽量フレームとして注目されました。
しかし、そのフレームは軽いが剛性不足という声が上がりました。
こうして、スプレンダーの改良版として2008年誕生したのが「VENUS」。
AVEDIOの後の名機となる“カーボンフレームの最高峰”です。
「VENUS」は、東レのハイモジュラスカーボンT1000を採用、さらに剛性を高めるためにフロントフォークとフレームダウンチューブにリブを入れました。製法はD型のカーボンパイプを重ね合わせて更に側面をカーボンで巻いて仕上げています。AVEDIOでは(RPS)RIB POWER SYSTEM と呼んでいます。
RPSを取り入れたことでゴールスプリント、コーナーリング、下りや咄嗟のブレーキング時のコントロールがライダーの思い通りにできると高い評価をいただきました。
そして、この軽くて超高剛性なフレームは、特に競輪選手から好評でした。
2008年のロードバイクインプレッションでは、最も高い評価を獲得。北京五輪 日本代表 北九州市の北都留翼選手には、練習用としてVENUSを使用いただきました。
その反響から、競輪選手の間でVENUSを購入いただく方も増えました。
北都留翼さんと北都留さんオリジナルカラーのVENUS
さらに、2008年11月に開催されたツールド沖縄(市民200kmの部)では、当時全くの無名であった武末真和選手がVENUSを使用し優勝しました。
2009年、東京大学の1年生 西園良太選手がVENUSを使用し、インカレで優勝。
西園選手は、1年生から4年生までの4年間、VENUSで学生チャンピオンに輝きました。
卒業後は、シマノレーシングに所属されています。
東大レーシングチーム
VENUSのリリースとともに、VENUSのフロントフォークを使って「BACCHUS」(アルミフレーム)もリリースしました。
競技者向けのアルミモデルとして話題となり、コストパフォーマンスも高く、幅広い層から支持されました。
2010年サイクルモード AVEDIO出展ブースの様子
2012年には、更なる剛性を求めて「VENUS 01」をリリース。
フロントフォークをオーバー×オーバーから、オーバー×スーパーオーバーに変更することで、フロントフォークとヘッド周りを強化しました。
これにより、下りのライン取りがよりスムーズに安定し、速く下ることができます。また、ブレーキング時のフロントフォークのたわみが軽減し、思いのままのスピードコントロールが可能となりました。
VENUS 01のリリースに伴い、BACCHUSも「BACCHUS 01」にグレードアップ。
そして、同時期に「PEGASUS」をリリースしました。
当時の一般的なチタンフレームは、ロングライド向けのジオメトリーで競技向けではありませんでしたが、「PEGASUS」は競技者向けのチタンバイクとして作りました。
学生でも気軽に使えるBACCHUS、頂点を目指す競技者のためのVENUS、現役を引退して競技を楽しむためのPEGASUSと位置付けて、製品のラインアップを展開。
アルミ、カーボン、チタンの三素材を幅広い世代に乗りこなしていただきたいと思っています。
さらに、2017年には「VENUS RS」をリリースしました。
剛性が高すぎて一部の競技者向けとなっていたVENUSを、トライアスロンやロングライドにも使えるように改良したのがVENUS RSです。
VENUS RSは、カーボン素材をT1000から、T1000とT800のハイブリットに変更。丸形状のパイプを異形にすることで、軽量・剛性・振動吸収性と、ロードレースに限らずトライアスロンやグランフォンドなどのロングライドなど全てに使える欲張りなフレームへと生まれ変わりました。
2017年当時、日本大学の3年生 草場敬吾選手にVENUS RSを提供し、数々なレースに参戦して学生チャンピオンに輝きました。
卒業後は、愛三レーシングに所属し、2021年の日本選手権にて優勝(自転車はFUJI)されています。
2017年の後期には、「VENUS RS DISC」、「PEGASUS DISC」を小ロットでリリースしました。
この頃はDISCにこだわる方も少なく、DISC ROADの先駆けとして注目されましたが、ホイールの兼ね合いもあり、そこまで高い反響はありませんでした。
AVEDIOのセールスポイントのひとつが「フルカラーオーダー」です。
これまでに「北海道 どうきゅうレーシング」(阿部嵩之選手の古巣です)、ツールド沖縄のオフィシャルスポンサー「ANA」、北九州市に本社を置く「新日本製薬」のフルカラーオーダーも手掛けてきました。
カラーオーダーは、他社でもありますが、ユーザー様のご意向を100%受け入れることが可能なブランドは、AVEDIOのみではないかと思います。
北大の自転車部
ANAオリジナル仕様
新日本製薬オリジナル仕様
最後に、ジャパンブランド「AVEDIO」を通じて、これからも多くの方に自転車の“楽しさ・喜び・感動”をレース、イベントを通じて伝えていきたいと思います。
【プロフィール】
犬塚 一彦(いぬづか かずひこ)
有限会社まるいち 代表取締役
1962年生まれ 62歳
トライアスロン、ブルべ、ロングライド、ロードレースと国内を中心に各種のイベントに参加。2025年はトライアスロンのロング6大会、宮古島、霞ヶ浦、バラモンキング、皆生、佐渡A、アイアンマン南北海道の完走を目指します。
自転車屋歴は42年。2008年に株式会社AVEDIOを設立、日本人の身体に合った日本人の為のロードレーサーを開発、2022年4月1日をもって株式会社トップへ製品に関する事業を継承いたしました。